Documentation

4. 要件

注釈

Tower は総合的なアプリケーションで、インストールプロセスでは PostgreSQL、Django、NGINX など、複数の依存関係をインストールします。スタンドアロンの仮想マシンまたはクラウドインスタンスに Tower をインストールし、そのマシンに別のアプリケーションを共存させることはできません (モニタリングまたはロギングソフトウェア以外)。Tower および Ansible は Python で記述されていますが、単なる Python ライブラリーではありません。そのため、Tower は Python virtualenv、Docker コンテナー、あるいはよく似たサブシステムにはインストールできません。本ガイドのインストールの方法に記載されているようにインストールする必要があります。

Ansible Tower には以下の要件があります。

  • サポート対象のオペレーティングシステム:

    • Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降 64 ビット
    • CentOS 7.2 以降 64 ビット
    • Ubuntu 14.04 LTS 64 ビット
    • Ubuntu 16.04 LTS 64 ビット

注釈

Ansible Tower では、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降が要件となります。

  • Mozilla Firefox または Google Chrome の現行のサポートバージョン

    • その他の HTML 5 準拠の Web ブラウザーは機能する場合がありますが、完全にテストまたはサポートされていません。
  • 最小 2 GB のメモリー (4 GB 以上のメモリーを推奨)

    • 2 GB のメモリー (Vagrant 試用版のインストールの最小および推奨要件)
    • 100 のフォークごとに 4 GB メモリーを推奨します。
  • ** 20 GB の専用ハードディスク領域**

    • 要件 20 GB 中で /var/ 専用に 10 GB 分割り当てる必要がります。/var/ は Tower がファイルおよび作業中のディレクトリーを保存する場所です (これよりも少ない容量を割り当てるとインストールに失敗する原因になります)。
  • 64 ビットのサポートが必要 (カーネルとランタイム)

  • Amazon EC2 の場合:

    • インスタンスのサイズは m3.medium 以上
    • ホスト 100 台以上ある場合には m3.xlarge 以上
  • システムトラッキングのデータストレージの場合:

    • Tower のシステムトラッキングを使用する予定の場合は、以下のガイドラインで必要な推定領域が分かります。基本的な計算式は以下のとおりです。

      (インベントリー内のホスト数) * (スキャン数) * ((平均モジュールのファクトサイズ) * (モジュールのスキャン数) / 3)

    • たとえば、1 年間 1 日 1 回スキャンするようにスケジューリングしたとします。

      (ホスト = 1,000) * (スキャン数 = 365) * ((平均モジュールのファクトサイズ = 100 kb) * (モジュール数 = 4) / 3) = 48 GB

    デフォルトのスキャン操作には記載の 4 つのモジュールが含まれますが、独自のものを追加することができます。モジュールの種類や収集するファクトのサイズにより、サイズは大きくなる可能性があります。

    サイズを抑えるには、管理ジョブを使用して以前のファクトをパージすることができます。詳しい情報は、『Ansible Tower Administration Guide』の「 Management Jobs」を参照してください。

    注釈

    Ansible Tower 3.0 から MongoDB ではなく Postgres を使用するようになっています。新しい Postgres のデータタイプは、人間が判読可能な JSON (ホワイトスペースや改行がない) と同等のものと比べると消費する領域が約 1/3 となります。Ansible Tower の以前のバージョンを使用する場合は、以下の例を使用して必要な領域がどの程度か判断してください。

    (ホスト = 1,000) * (スキャン数 = 365) * ((平均モジュールのファクトサイズ = 100 kb) * (モジュール数 = 4) = 146 GB

4.1. Tower の要件に関する追加の注意点

他のオペレーティングシステムは技術的に機能する場合がありますが、現在 Ansible Tower インストールのホストをサポートするのは上記の一覧のみです。サポートのないオペレーティングシステムで Tower を実行するという確実な要件がある場合には Red Hat カスタマーポータル (https://access.redhat.com/) 経由で Ansible までお問い合わせください。他のオペレーティングシステム (ノード) の管理は、Ansible プロジェクト自体に文書でまとめられており、リストに追加することも可能です。

実際のメモリー要件は Tower が同時に管理するホスト数により異なります (これはジョブテンプレートまたはシステムの ansible.cfg ファイルの forks パラメーターにより制御されています)。発生する可能性のあるリソースの競合を回避するには、Ansible はフォーク 100 ごとにメモリー 4 GB を搭載することを推奨しています。たとえば、forks が 100 に設定されている場合には メモリー 4 GB を、forks が 400 の場合は、メモリー 16 GB を搭載することを推奨します。

Ansible Tower をインストールするホストでは、Tower により、umask が 0022 に設定されているかどうかが確認されます。設定に失敗する場合は、umask=0022 に設定してこのエラーが発生しないようにしてください。

当然、より多くのホストに対応できますが、フォーク数がホストの総数より少ない場合は、ホスト間により多くのパスが必要です。設定を要求する各システムがキューに入り、できるだけ早く処理されるか、あるいは Tower が AMI などのイメージを作成またはデプロイする場合など、定期的な更新の使用、または Tower に含まれるプロビジョニングコールバックシステムを使用して、このようなメモリーの制限を回避することができます。これらすべては、大規模な環境を管理する優れたアプローチです。他に質問がある場合には、Red Hat カスタマーポータル (https://access.redhat.com) 経由で Ansible までお問い合わせください。

Tower が管理するシステムの要件は Ansible と同じです (http://docs.ansible.com/intro_getting_started.html)。

4.2. Ansible のソフトウェア要件

Ansible Tower は Ansible Playbook に依存しており、インストール前に Ansible の最新安定版をインストールする必要がありますが、手動で Ansible をインストールする必要はなくなりました。

Ansible Tower バージョン 2.3 以降、Tower のインストールプログラムはインストールプロセスの一部として Ansible のインストールを試行します。以前の Tower では、Tower のインストールプログラムを実行する前に Ansible ソフトウェアリリースパッケージを手動でインストールする必要がありました。現在は Tower は、最新安定版の Ansible リリースパッケージのインストールを試行します。

バンドルの Tower インストールを実行する場合は、インストールプログラムにより、バンドルから Ansible およびその依存関係のインストールが試行されます (詳しい情報は「バンドルの Tower インストールプログラムの使用」を参照してください)。

Ansible をご自身でインストールすることにした場合には、Tower インストールプログラムは Ansible がインストールされていることを検出して、再インストールを試行しないようにします。Ansible Tower が正しく機能するようにするには、yum などのパッケージマネージャーを使用して Ansible をインストールし、最新安定版をインストールする必要がある点に注意してください。